仙石浩明の日記

2006年3月29日

OS

OS って何だろう。

言うまでもなく OS といえば、 コンピュータのリソースを管理するものであり、 またハードウェアの仕様の差を吸収して、 異なるハードウェア上で同一のプログラムを 走らせることができるようにするソフトウェアである。

ただ、OS といっても、 ほとんどカーネルと呼んだほうがいいような場合もあるし、 ミドルウェアの機能をまで含んで、 アプリケーションの操作性を統一するようなものまである。 さらには Windows における Internet Explorer のように、 従来はアプリケーションと思われていたものまで OS としてしまう場合すらある。

わたしが初めて使った OS (と呼べるかどうかは微妙だが) は、 CP/M だった。自作 PC (今風に言う自作 PC ではなく、 回路の設計から半田付けまですべて自分で作る PC である。 CPUなどはもちろん LSI を使うが、 ほかは汎用 TTL でロジックをくみ上げているので、 今風に言うチップセットは存在しない) 用の BIOS を スクラッチから開発して、市販されていた CP/M を移植した。

低機能な OS をハードウェアレベルから くみ上げるところから始めたということもあって、 OS というとわたしはカーネルに近いレベルを想定してしまう。一方、

システム管理コラム集 実践してみてわかったことシリーズその1

などを読むと、 あらためて人によって OS という言葉から思い浮かべるものが 異なるものだと実感する。 私にとっては Linux の各ディストリビューションごとの差異など あまり気にしなかったりするのだが、 最近の人にとっては、ディストリビューションが違うと、 異なる OS ととらえることもあるのだろう。

ちなみに、私の自宅サーバは、 10年以上前にインストールした Slackware をベースにしている。 ベースにしているといっても、 カーネルや libc をはじめとして ほとんどすべてのプログラムをアップデートしているので、 元のディストリビューションの痕跡は皆無といっていい。 自作ディストリビューションと呼べるかもしれない。 これを私が管理する全ての Linux マシンにコピーして使っている。

会社 (KLab(株)) のサーバは、私の直轄のチームが管理していて、 こちらはさすがに自作ディストリビューションというわけにはいかず、Debian をベースにしているが、 コアの部分は KLab 独自の拡張を加えている。 つまり誰が作っても同じようになる部分は 既存のディストリビューションを使うことによって「手を抜き」、 コアの部分は独自に開発して運用コストを下げたり、 耐故障性能を向上させたり、パフォーマンスを改善したりしている。

Filed under: システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 08:08

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