休暇をとってハワイ (オアフ島) へ行ってきた。
泊まったのはワイキキの安ホテル。 部屋はもちろんマウンテンビュー (つまり海が見えない側)。 一般に階数が高いほどいい部屋とされるが、 公衆無線LAN を使いたい場合は低層階のほうがいい。 もう少し上のランクのホテルだと、 各階に無線LAN のアクセスポイントが設置されていたり、 あるいは各部屋に LAN が敷設してあったりするが、 私が泊まったホテルだと無線LAN が使えるのは一階ロビーだけ。 部屋でインターネットにアクセスしたければ、 屋外で利用可能な公衆無線LAN を利用するしかない (もちろん電話でダイアルアップ接続する手も無くはないが、 あくまでそれは最後の手段)。
こういう場合、部屋が高層階だとやっかいである。 公衆無線LAN のアクセスポイントは、たいてい地上近辺に設置されているので、 階数が高いほど接続しにくくなるからだ。 今回は運悪く (フツーの意味では運良く) 最上階に近い 15階。 厳しいんじゃないかなぁと思いつつ、 ノートPC 内蔵の無線LAN 端末で接続を試みたら案の定、全く接続できず。 ラナイ (Lanai, ハワイ語で「ベランダ」) から身を乗り出して、 ノートPC を外に突き出して (落下注意!) みたのだがダメだった。
高層階だと当然遠くの街路まで見渡せるわけで、 やたらと沢山のアクセスポイントが見通し距離範囲に入ってくる。 が、こちらから出す電波が、 同じチャンネルで電波を出す機器に届かなければ衝突回避してもらえない (CSMA/CA, Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance) わけで、 ノートPC 内蔵のアンテナではどうにも力不足である。
こんなこともあろうかと、 私は長期旅行には La Fonera+ を持っていくことにしている。 ノートPC 内蔵の無線LAN 端末と違って、 La Fonera+ には外部アンテナがあり、 また内蔵アンテナもあるので、 組合わせてダイバーシチ送信/受信が可能である。
La Fonera / La Fonera+ (FON ソーシャル ルータ) は、 本来は無線LAN アクセス ポイントなのであるが、 中身は普通の Linux マシンなので何でもアリである。 もちろん 無線LAN 端末として 使うこともできる。 まずは La Fonera+ をラナイの端ギリギリ (落下注意!) のところに置き、 ノートPC と Ether ケーブルでつなぐ。 ノートPC で試したときに比べてはるかに多くのアクセスポイントが見つかった (実に 49個!)。
無線LAN 端末としての La Fonera+ が見つけたアクセスポイントの一覧 (信号強度 dBm 順):
ESSID | dBm | rate | Security |
---|---|---|---|
Skywave Metro WiFi 111 | -62 | b | 無 |
Skywave Metro WiFi 31 | -69 | b | 無 |
Skywave Metro WiFi 21 | -74 | b | 無 |
AwPv2 | -75 | b/g | WEP |
Lava Network | -75 | b/g | WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 150 | -77 | b | 無 |
AJ | -78 | b/g | WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 32 | -80 | b | 無 |
Jet Blue hot spot | -81 | b | 無 |
Skywave Metro WiFi 135 | -81 | b | 無 |
dlink | -82 | b/g | WEP |
101 | -82 | b | WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 131 | -83 | b | 無 |
mbbWiFi.com (3) MAHALO Promo! | -83 | b | 無 |
HOKU2118 | -84 | b/g | 無 |
787 | -85 | b/g | WPA2/WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 161 | -85 | b | 無 |
mbbWiFi.com (1) | -85 | b | 無 |
NETGEAR | -86 | b/g | 無 |
siamsquare | -86 | b/g | 無 |
Skywave Metro WiFi 151 | -86 | b | 無 |
Chuenchusakul | -87 | b/g | WPA2/WPA PSK |
GARV | -87 | b/g | WPA2/WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 110 | -87 | b | 無 |
Doma | -88 | b/g | WEP |
Naked Girls Only | -88 | b/g | WEP |
Belkin_Pre_N_EBD4D4 | -88 | b/g | WPA PSK |
Natural Mystic | -88 | b/g | WPA PSK |
badmofo | -88 | b/g | WPA PSK |
05B402208289 | -88 | b/g | 無 |
Skywave Metro WiFi 33 | -88 | b | 無 |
alohazone-cs-west | -88 | b/g | 無 |
ionuma | -88 | b/g | WPA PSK |
linksys | -89 | b/g | 無 |
Ocean View Inn | -89 | b/g | 無 |
mananet | -90 | b/g | WEP |
07FX10053018 | -90 | b/g | 無 |
js | -90 | b/g | 無 |
Skywave Metro WiFi 29 | -90 | b | 無 |
Stitton | -90 | b/g | 無 |
SethIsWireless | -91 | b/g | WPA2/WPA PSK |
Skywave Metro WiFi 14 | -91 | b | 無 |
FON_AP | -92 | b/g | 無 |
Kuencer | -92 | b/g | WPA PSK |
mywireless | -93 | b/g | WEP |
jazz | -93 | b | WEP |
Road Runner Speed Zone 4 | -94 | b/g | 無 |
Skywave_PolyPlaza_7 | -94 | b/g | 無 |
Skywave Metro WiFi 80 | -95 | b | 無 |
ESSID linksys は、 泊まったホテルの一階ロビーで無料公開されているアクセスポイント。 15階からだと信号強度は -89 dBm しかなく、 La Fonera+ でも接続することはできなかった。 FON_AP も検出しているが、わずかに -92 dBm しかなくノイズに埋もれてしまう。
というわけで、一番信号強度が強い 「Skywave Metro WiFi 111」 に接続を試みたところ無事つながった。 Skywave は、 以前ワイキキに来た時にも使った Hotspot。 利用料金は一ヶ月 $34.95 であるが、 一週間だと $24.95、4日間でも $19.95 もする微妙な値段設定。 一週間を越える滞在では迷わず一ヶ月プランを選択すべき?
Hotspot Locations によれば、 「Skywave Metro WiFi 111」 は、 Aloha Lani Condos に設置されているようだ。 ラナイから見ると、 ↓ こんな感じ。 一番奥の大きな建物が Aloha Lani である。
直線距離で 200m くらいあって間にいくつかのビルがあるのだが、 ちょうどビルの谷間からアクセスポイントが見通せる位置関係だったため接続できているのだろう。 ちなみに一番手前の建物は、 Kuhio Ave を挟んでお向かいの The Wyland Waikiki (以前 Ohana Waikiki Surf だった。2007年に改装・オープン)。 Aloha Lani と The Wyland Waikiki との間にある建物は、 Aloha Towers。
無事つながったのはいいのだが、 このラナイ (というには狭すぎるような...) には電源コンセントがなく、 La Fonera+ を設置する場所としては電源ケーブルの引き回しが少々やっかいである (以前泊まったホテルのラナイには電源コンセントがあったので、 ラナイに La Fonera+ を置きっぱなしにしていた)。 そこで、 ラナイの左隣の窓 (もちろん室内側。この窓は、はめ殺しで開けられない) に La Fonera+ を セロテープで貼付けてみた ↓ 。
窓ごしに見えるのは、お向かいの The Wyland Waikiki のラナイ。
意外なことに、窓に貼付けた場合と、ラナイの端に設置した場合とでは、 ほとんど信号強度に差はでなかった。 また、窓のいろいろな場所に La Fonera+ を貼付けてみたのだが、 上の写真にあるように窓の下端中央にこの向きで設置するのが一番感度が高くなった。
写真の La Fonera+ には Ether ケーブルをつないでいないが、 実はこれで機能している。 すなわち La Fonera+ は無線 LAN 端末として 「Skywave Metro WiFi 111」アクセスポイントに接続すると同時に、 WPA2 PSK アクセスポイントとしても動作させている。 つまり無線LAN のリピータとして機能している。
こうすることにより、 窓から離れた部屋の奥でも無線LAN が使えるようになるし、 複数台 (といっても持ち込んだのはノートPC と Advanced/W-ZERO3[es] の 2台だけだが) の PC から同時にアクセスできる。
LaFonera+じゃないほうでもできるんですか?
おもしろい事ですねw
さっきハワイから帰国したばっかなんですがw
Comment by kent — 2009年3月4日 @ 15:39
La Fonera と La Fonera+ の違いは、Ether ケーブルをつなぐ口が 1 つか、2 つかという違いくらいで、他はおおむね同じなので、もちろん La Fonera でも同様のことができます。
Comment by 仙石浩明 — 2009年3月4日 @ 20:04
通りすがりで申し訳ありませんw
今Waikikiに滞在中なのですが、444 Nahuaのコンドミニアム17階の机の上から、無事に「linksys」につながる事を、確認しました^^
使用無線LANアダプタは、EeePC701 内臓無線Atheros AR5007AGです。
ちょっと、書かせていただきました==
Comment by 通りすがり — 2009年3月15日 @ 18:03
え、444 Nahua Condominium Suites からですか?
Ohana Waikiki Malia の SSID linksys (00:18:39:7A:1F:5C) につながるとは思えないので、他の Ohana ホテルでも linksys AP があるということですかね? 最寄だと 2330 Kuhio の Ohana West でしょうか? あるいは (Ohana ホテルとは関係なく) 単に linksys 製の AP がセキュリティ無しで設置してあるのかもしれません。
Comment by 仙石浩明 — 2009年3月17日 @ 11:32
はじめまして。
FON初心者です。ブログが大変参考になり勉強させていただいてます。
” La Fonera+ は無線 LAN 端末として「Skywave Metro WiFi 111」アクセスポイントに接続すると同時に、 WPA2 PSK アクセスポイントとしても動作させている。”
この作業こそ小生がやろうと考えている作業なのですが、仙石様のブログはじめいろいろなサイトを見ても、具体的な作業イメージがつかめません。
何かマニュアル的な説明があるサイトなり資料が存在していますか?
あればぜひ教えてほしいのですが。
よろしくお願いします。
Comment by FON初心者 — 2009年5月17日 @ 12:54
記事中の
” La Fonera+ は無線 LAN 端末として「Skywave Metro WiFi 111」アクセスポイントに接続すると同時に、 WPA2 PSK アクセスポイントとしても動作させている。”
について、上の方も質問されているようですが、同じく手順等がわからず教えていただきたいです。
お願いします。
Comment by sato — 2010年2月2日 @ 14:12
ファームウェアを DD-WRT に書き換えると、クライアントとアクセスポイントを同時に動作させることが可能です。あるいは、La Fonera オリジナルのファームウェアのままで実現するには、アクセスポイントとして動作させつつ、コマンドラインから wlanconfig コマンド等を使って無線LAN 端末として使うことになります。
前者はファームウェアの書き換えが必要である一方で、後者は Linux の使い方に慣れている必要があり、どちらの方法も万人にお勧めできる方法ではないところが難しいところですね。
Comment by hiroaki_sengoku — 2010年2月2日 @ 18:28
早速の回答ありがとうございます。
現在dd-wrt@fonera+とopenwrt@fonera2.0があるのですが、
dd-wrtでのクライアントとアクセスポイントの同時動作についてはどの項目を利用すればいいのでしょうか?
当方で探したんですが、WDSくらいしかみつけられませんでした。
openwrtでは無線ネットワークインターフェース間のブリッジを利用する(?)方法がわからずじまいです。
よろしければもう少し詳しくお聞かせ願いたいです。
Comment by sato — 2010年2月3日 @ 00:33
DD-WRT の Control Panel (Web UI) にて、
Wireless > Basic Settings の画面で、Virtual Interfaces の Add ボタンを押すと、
Physical Interface とは別に、AP を設定することができます。
なので、Wireless Physical Interface の Wireless Mode を Client にし、
Virtual Interfaces 側で AP を設定すれば、
クライアントとアクセスポイントの同時動作が可能になります。
Comment by hiroaki_sengoku — 2010年2月3日 @ 20:42
ありがとうございます。
試してみようとしたのですが、なぜかfonera+の電源LEDさえもつかず起動しないので、OpenWrtでのやり方を模索しています。
親切に回答してくださって感謝しています。
Comment by sato — 2010年2月6日 @ 15:47
こんばんは
クライアントとAPはそれぞれ接続できたのですがAPから接続できません。
クライアントとAPはそれぞれブリッジでよろしいのでしょうか?
その他設定に気をつけるところがあれば教えてください。
よろしくお願いします。
Comment by tama — 2010年2月17日 @ 02:40