La Fonera (FON ソーシャルルータ) って知っていますか?
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参加は簡単!FON取り扱い店でLa Foneraを購入して接続してスタートするだけ!FON 公式ページから引用
La Fonera は、FON のアクセスポイントであると同時に、 普通の (プライベートな) 無線LAN アクセスポイントとしても利用できます。 自宅などで無線LAN アクセスポイントを設置している人は多いと思いますが、 おそらくそのまま La Fonera で置き換えることが可能でしょう。
実際、私はそれまで使ってた 無線LAN ルータ WN-G54/R2 を La Fonera で置き換えてしまいました。 La Fonera が提供する二つのアクセスポイントのうち、 プライベート側を使えば、 自宅LAN に普通にアクセスできて、 いままで使っていた無線LAN ルータに比べて全く遜色ありません。 もちろん WPA2 (Wi-Fi Protected Access 2) 暗号化方式が使えます。
より正確に言うと、 La Fonera のプライベート側アクセスポイント (MyPlace) は、 自宅LAN とは異なるセグメントになります。 有線LAN と無線LAN 相互で自由に通信するためには、 多少の設定変更 (/etc/firewall.user に 2行ほど追加) が必要になります。
私の場合 WPA に対応していない古い無線LAN 端末 (Windows98マシン^^;) も 持っていて、 自宅の無線LAN を WEP から WPA2 に変更した (自宅LAN といえど、WEP を使うのはちょっと抵抗がありますよね?) 時点で、 お蔵入りにしていました。 La Fonera が提供するもう一つのアクセスポイント (パブリック側) を使えば、 直接自宅LAN へはアクセスできないもののインターネットへは接続できるし、 インターネット経由で自宅LAN に戻ってくる (もちろんインターネットからアクセス可能な部分に限定されますが) ことも可能なので、 La Fonera の導入によって古い無線LAN 端末も再び利用できるようになった、 というオマケがつきました。
さて、 この La Fonera で VPN-Warp が利用可能になったらどうなるでしょうか? 無線LAN ルータが VPN ゲートウェイの機能も持つわけです。 つまりインターネットに接続できる環境ならどこからでも、 自宅LAN へ手軽にアクセスできるようになります。
ここで La Fonera は固定 IP アドレスを持つ必要がないばかりか、 そもそもグローバルアドレスを持つ必要性すらない、 という点がミソです。 必要なことは、La Fonera からインターネットへ接続可能、ということだけです。 La Fonera をどこに設置しようと、 その設置した LAN に外部からアクセスすることができます。
以下は、La Fonera で VPN-Warp を使うようにするための手順です。 現状は多少の Linux の知識が必要となってしまうのですが、 要は relayagent プログラムを La Fonera にインストールするだけのことなので、 適切なインストーラさえ作ればいくらでも簡単な手順になることでしょう。 なので、難しそうだとあきらめるのではなく、 関心がある方はご連絡頂ければと思います。
まず La Fonera に ssh あるいはシリアルコンソールで ログインすることが必要となります。 おそらくこれが最大の難関でしょう (^^;)。
senri:/home/sengoku % ssh fonera root@fonera's password: BusyBox v1.1.3 (2006.11.21-19:49+0000) Built-in shell (ash) Enter 'help' for a list of built-in commands. _______ _______ _______ | ____|| || _ | | ____|| - || | | | | | |_______||__| |__| |___| Fonera Firmware (Version 0.7.1 rev 2) ------------- * * Based on OpenWrt - http://openwrt.org * Powered by FON - http://www.fon.com --------------------------------------------------- root@OpenWrt:~#
ログインさえ可能なら、あとはさほど難しくはありません。 まずネットワーク経由で La Fonera に relayagent を インストールするための準備をします。 具体的には、 以下のように /etc/ipkg.conf に「src gcd http://www.gcd.org/fonera」 を追加し、 「ipkg update」 を実行します。
root@OpenWrt:~# echo "src gcd http://www.gcd.org/fonera" >> /etc/ipkg.conf root@OpenWrt:~# ipkg update Downloading http://download.fon.com/release/fonera/0.7/packages/Packages Updated list of available packages in /usr/lib/ipkg/lists/fon Downloading http://www.gcd.org/fonera/Packages Updated list of available packages in /usr/lib/ipkg/lists/gcd Done. root@OpenWrt:~#
http://www.gcd.org/fonera というのは、 私が最近始めた La Fonera 用の ipkg feed です。 つまり、上記のような設定をしておくと、 La Fonera にいろいろなソフトウェアを ネットワーク経由でインストールすることができるようになります。 もちろん ;-) VPN-Warp の relayagent も、 ここからインストールできます。 インストールに必要なコマンドは、 「ipkg install relayagent」だけです。 このコマンドを打ち込むだけで、 relayagent の実行に必要な OpenSSL ライブラリ等が 自動的にインストールされます。
root@OpenWrt:~# ipkg install relayagent Installing relayagent (1.0.7) to root... Downloading http://www.gcd.org/fonera/relayagent_1.0.7_mips.ipk Installing libopenssl (0.9.8d-1) to root... Downloading http://www.gcd.org/fonera/libopenssl_0.9.8d-1_mips.ipk Installing zlib (1.2.3-3) to root... Downloading http://www.gcd.org/fonera/zlib_1.2.3-3_mips.ipk Configuring libopenssl Configuring relayagent Configuring zlib Done. root@OpenWrt:~#
次に、VPN-Warp の証明書をインストールします。 BIGLOBE の VPN ワープのページ などから入手した証明書とそのパスワードを記したファイルを、 La Fonera の /etc/warp ディレクトリへコピーしてください。 以下の実行例では relay,5000005.pfx が証明書のファイル、 relay,5000005-pass.txt がパスワードを記したファイルです。 5000005 というのは私が使用している証明書の番号なので、 実際に取得した証明書の番号で読み替えてください。
senri:/home/sengoku % echo "パスワード" > relay,5000005-pass.txt senri:/home/sengoku % scp -p relay,5000005.pfx relay,5000005-pass.txt fonera:/etc/warp/ root@fonera's password: relay,5000005.pfx 100% 4856 4.7KB/s 00:00 relay,5000005-pass.txt 100% 9 0.0KB/s 00:00
次が最後の難関で、 VPN-Warp の設定ファイルを作成します。 /etc/warp/relayagent.cfg.sample に設定ファイルのサンプルがあるので、 これを /etc/warp/relayagent.cfg へコピーして、 vi エディタで編集します。
root@OpenWrt:~# cd /etc/warp/ root@OpenWrt:/etc/warp# ls -l -rw------- 1 root root 9 Jan 9 04:09 relay,5000005-pass.txt -rw------- 1 root root 4856 Jan 9 04:09 relay,5000005.pfx -rw-r--r-- 1 root root 3290 Jan 9 07:47 relayagent.cfg.sample root@OpenWrt:/etc/warp# cp relayagent.cfg.sample relayagent.cfg root@OpenWrt:/etc/warp# vi relayagent.cfg
設定ファイル relayagent.cfg の中に、以下のような部分があるので、
「relay,0000000」の数字の部分を実際に取得した証明書
(私の場合は「relay,5000005」) の番号で置き換えます。
#-------------------------------------------------------------------- # # -x PFX 形式 クライアント証明書を指定 # -X 同パスワードファイルを指定 # #-------------------------------------------------------------------- -x "/etc/warp/relay,0000000.pfx" -X "/etc/warp/relay,0000000-pass.txt"
以上で設定ファイルの作成が完了しました。 あとは La Fonera を再起動する (裏面のリセットスイッチを押す) だけです。 再起動する代わりに、起動スクリプトを実行することによって relayagent を起動することもできます。
root@OpenWrt:~# /etc/init.d/N50relayagent start root@OpenWrt:~#
では、ブラウザで https://warp.klab.org へアクセスしてみましょう。 La Fonera にインストールした証明書と同じ証明書、あるいは その子証明書を使ってアクセスしてください。 La Fonera の Web 設定ページが表示されたら成功です。
Web 設定ページが表示されるのは、 先ほど作成した設定ファイル /etc/warp/relayagent.cfg に、
#-------------------------------------------------------------------- # # <relay サーバ名:ポート番号> <転送先ホスト名:ポート番号> # # ※-p オプション指定時は下記の意味となる # # <プロキシサーバ名:ポート番号> <転送先ホスト名:ポート番号> # #-------------------------------------------------------------------- warp.klab.org:443 localhost:80
と書いてあるからです。 「localhost:80」だから La Fonera 内蔵の WWW サーバ (つまり設定ページ) ですね。 「localhost:80」の部分を、 自宅LAN 内の適当なサーバの「アドレス:ポート」で置き換えれば、 そのサーバにアクセスできますし、 通常の VPN-Warp と全く同様に、 任意のサーバに接続するように設定することもできます。
FON(無線LAN共有プロジェクト)
FON(無線LAN共有プロジェクト) 概要 何でも無線化が進んできた現代。インターネットが復旧し、無線LANを使うことも多くなったでしょう。パソコンを初めとして、ゲーム機器やPDA、いろんなところに WiFiプロトコルの無線LANが飛び交っている。この無線LANをどうにかもっ…
Comment by YochiWikiPlus! (PukiWiki/TrackBack 0.4) — 2008年6月29日 @ 23:04