仙石浩明の日記

2006年6月21日

時間ができたら勉強したい、というのは禁句

好きなこと = 他の人に勝てる分野

負けることを恐れるあまり、勝つことに価値を見いだせなくなってしまった人たち」に 頂いたコメントを見ていて、 あらためて日本語の難しさを痛感する (^^;)。

「勝てることが好き」 と 「勝てるから好き」 と 「勝つことが好き」

文字ヅラはとても似ているが意味はだいぶ違う。 私が書いたのは「勝てることが好き」だったのだが...
「勝つ」こと自体が好きと、「勝てること」が好きでは、 もちろん全然意味が違うし、 どんな分野であれ最初から「勝てる」ことなどないのだから、 勝てる「から」好き、というのもちょっと違う。

「好きだから注力する」⇒「注力するからより上達する」⇒ 「上達を実感するから、より好きになる」 という正のフィードバックによって、 しだいに勝つことができるようになるのである。 「勝つ」は結果であって、理由ではない。 つまり「勝てるから好き」ではない。 もっとも、「勝ちたいから注力しているうちに好きになる」ということは あるが。

やりたいことを見つけるにはどうすべきか?

Mimiteru さまのコメントから引用:

業務も職種も世の中にはたくさんあります。 やりたいことがわからない人は、 本当にプログラマがやりたいのかさえも漠然とした意識を持たないのかもしれません。

その通りだろう。 何がやりたいのか見つけるには、 好きでなくても手当たり次第に挑戦してみることも必要である。 何事も始めてみなければ始まらない。

ところが、挑戦してみることを勧めると、 「時間ができたら勉強したい」と答える人のなんと多いことか。 率直に言って、こう答えた時点で好きになれる可能性はゼロである。 何事も始めてからの方が困難なことが多い。 まして勝てるようなレベルを目指すなら、 好きでなければやってられないことも多いだろう。

世の中は、何をするにしても道半ばで、進むのを止めてしまえと 囁く誘惑に満ち満ちている。 「時間がない」ことを「いいわけ」にして始めないようなら、 仮に始めたとしても、困難にぶち当った途端、 山のような「いいわけ」を持ち出して自己を正当化し、 進むのを止めてしまうだろう。

好きなことがあるなら、時間なぞなくても始めてしまうだろうから、 こんな「いいわけ」は言わないだろう。 好きなことがないなら、そして何かやりたいことを見つけたいと本当に思うのなら、 「いいわけ」を口にしたくなっても思い止まるべきだ。 最初から「いいわけ」を口にしていて好きになれるはずがない。

勉強を始める最適な日は、今日という日をおいて他にない。

Filed under: 技術者の成長 — hiroaki_sengoku @ 06:30

1 Comment »

  1. 自己啓発の本などによく書かれていることですが、「勉強を始める最適な日は、今日という日をおいて他にない」ということをいってくれる人って周りにいませんよね.再認識しました.ありがとうございます.

    Comment by なすけ — 2006年7月6日 @ 00:36

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