PPP (Point-to-Point Protocol)の普及に従って, UUCP 接続はあまり使われなくなりました。 しかし, ある程度たまったデータを短時間に一気にやりとりする UUCP でのデータ転送は, ダイヤルアップ接続に向くものです。 UUCP を活用して, 通信コストの削減を実現しましょう。
大企業から転職して, はや 2 カ月。 毎週のように面接を行っては人を増やしている今日このごろです。 思いがけず, かつての同僚から応募の打診がありました。 同僚の中でも飛び切り優秀な人です。 即座に連絡を取って会うことにしました。 彼いわく大企業でのビジネスの進め方に限界を感じた, 自分の技術を生かせる企業へ移りたいとのこと。 これはもう雇うしかありません。
ところが 2 次面接で年俸の額を提示したところ, 北欧の超有名メーカーからそれをかなり上回る額の提示があった*1 ことを 打ち明けられがくぜんとしました。 相手は世界的な大企業, こっちは国内でさえあまり知られていないベンチャ, しかも年俸は向うの方が上, 研究開発環境も向こうの方が良いに決まってます。 これでは, 彼がどちらを選択するかは一目瞭然かもしれません。
半ばあきらめつつも, 小さい企業の方が提案が通りやすい*2 し, もし利益が出ればダイレクトに報酬に反映される, と説得作戦を展開しました。 そして, どちらを選ぶかは一生の一大事, ゆっくり考えてくださいと言って別れました。
十中八九だめだろうと思いつつ迎えた, 彼が返事をくれると言った弊社の会社説明会の日, 担当者の話によると彼は現れたものの何も言わずに帰ってしまったそうです。 ここに至って私は完全にあきらめました。
ところがその1 週間後, 彼から就職を希望する旨の i モード・メールが届いたのでした。 いわく, 会社説明会で改めてリスクの高さを再認識した。 しかし自分の技術を実用化したいのであえてそのリスクを選ぶ,と。
(仙石浩明)
連載 第 5 回「stone (前編)」
連載 第 3 回「ネーム・サーバ (後編)」
本稿は日経Linux 2000 年 7 月号に掲載された、 実践で学ぶ、一歩進んだサーバ構築・運用術, 第 4 回「UUCP の活用」を日経BP 社の許可を得て転載したものです。
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